タイトルは、「めだまやき」。
記録によると、2009年09月18日 16:45 に描いた絵らしいです。
全く記憶にありません。
七年前の自分は、何考えて、こんなの描いたんですかね。(´・ω・`)
ふと思い立って、「目玉焼き」が出てくる小説がないかと思って検索してみたら、海野十三の「四次元漂流」が出てきました。青空文庫に入っています。
そこのところを、引用。
怪紳士
道夫は、ふっと悪夢から目ざめた。
いじ悪い数頭の犬にとりかこまれて、自分はあっちへ引張られ、こっちへおわれて、はてしない乱闘をつづけているうちに、ふとこの悪夢がさめたのだった。全身におぼえるけだるさ、そしてずきんずきんと頭のしんが痛む。
「おお、気がついたようだよ。道夫君、元気をだしたまえ。そしてまずこれをのむのだ。気持がよくなるよ」
しっかりした男の声だ。道夫は、まだ夢心地で声のする方へ、ものうい眼を向けた。
(川北先生かしらん)
と思ったが、道夫の目にうつった声の
(中略)
と、部屋に人の気配がした。紫のカーテンに目を釘づけにしていた道夫は、はっとして、後をふりむいた。例の紳士が、銀色の盆の上に、焼いたパンと、卵の目玉焼きと、それから大きなコップに入った牛乳とをならべたものを持って道夫の方へ近づき、小
「さあおあがり、お
「あなたは、いったいどなたですか。そしてここはどこです。僕はどうしてこんなところへきたのでしょうか」
道夫は、食欲をひどく感じたけれど、その前にたしかめておくべきことをたしかめないでは、盆の方へ手をだすつもりはなかった。すると紳士はにっこり笑って、
「穴の中で、君がうなっていたから、引っぱりあげて、家へつれてきたのさ。くわしいことはゆっくり話そう。まず食事をしたまえ」
といって、自分はポケットから
道夫は、もっとがんばろうかとも思ったが、なにしろお腹はぺこぺこで、そして目の前の卓上にはおいしそうな卵の目玉焼きが、道夫の大好きなハムの上にゆうゆうと湯気をあげているので、もうがまんができなくて、思い切っていただいてしまうことにした。毒が入っていはしまいかとも心配になったがまあそんなことは多分ないであろうとおもって、フォークとナイフとを手にとった。
実においしい。
初出「子供の科学」1946(昭和21)年3月~1947(昭和22)年2月
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些細なことかもしれませんが、作中、「卵の目玉焼き」と繰り返されていることが、かなり、気になります。
いまの時代であれば、目玉焼きといえば、材料は卵ですから、わざわざ「卵の」と断る必要はないように思います。
「ねえ、朝ご飯、卵の目玉焼き食べる?」
なんて聞いたら、
「ほかに何の目玉焼きがあるんだよ。魚の目玉焼きか? 目玉だけくりぬいて取り出して、焼くのか?」
って、なりますよね。
でも、この作品が世に出たのは、1946年、第二次世界大戦が終わった翌年です。
そのころの子どもたちにとって、「目玉焼き」には、卵以外のものもあったのかどうか。
戦時中の食糧事情など意識しつつ、当時の目玉焼き事情について検索してみましたが、なかなか、情報がヒットしません。
唯一見つかったのは、終戦後、来日したマッカーサー元帥の朝食に、目玉焼きが出たということ。
元帥が宿泊したホテルの調理人が、品薄の卵を必死にに入手、一個だけ焼いて、供したのだそうです。
wikiの記事……マッカーサーの「目玉焼き事件」
戦中戦後の、日本の子供たちにとっての「目玉焼き」が、どんなものだったのか、いずれまた、機会を見つけて情報を探してみようと思います。
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