「シークとの一夜」
湊 よりこ (漫画), キム・ローレンス (原作) ハーレクインコミックス
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ヒロインのイーヴァは、たった一人の家族だった実母に死なれるのですが、葬儀の直後、リムジンに乗って墓地にやってきた使者によって、実母が中東のアザリム王国の王子(故人)の妃であり、自分がプリンセスであるということを知らされ、仰天します。
ごく普通の女子大生が、他国の王家の一員だなんて、そうあることじゃないと思うのですが、ハーレクインというジャンルでは、わりとよくある大事件なので、読んでいるほうとしては、それほどの驚きはありません。
まあ、お母さんも、生前にちゃんと説明しておけばいいのにとは思いますけども。
だって、埋葬中の墓地に、いきなりこんな感じの人たちが、ぞろぞろ来るんですから、心の準備くらいさせてあげたいところです。
写真は、
Amazonの商品ページからお借りしました。
Amazonで、買えるんですね、こういうの。(´・ω・`)
祖父である国王に招かれて、アザリム王国に飛んだイーヴァは、国王が孫娘のために良かれと思って用意した、隣国のカリム王子との縁談を断りきれず、とりあえず相手に会ってみることに。
ところが、カリムがお見合いの時間に大遅刻してきたことと、イーヴァに同行してアザリム王国に来ていた、亡き母の恋人の存在のせいで、事態はとんでもない方向にこじれます。
途中の物語は省略しますが、カリム王子の前妻の不倫相手との娘の臓器移植とか、愛のない結婚に絶望したイーヴァが砂漠に逃げ出したりとか、すったもんだの末に縁談は成就し、イーヴァはいきなり三つ子を妊娠、出産し、めでたしめでたしで終わります。
で、例によって、重箱の隅的探索を。
イーヴァの祖国の「アザリム王国」は、「シークとの一夜」の作中では、次のように説明されています。
アザリム王国は人口約700万人の小さな国
オイルマネーと近代文化の発展で
豊かな国ではあるが
厳しい戒律が一部残っている…
中東に、「アザリム王国」という名前の国は存在しません。
ないだろうと思いましたが、一応確認しました。
で、国王や首長のいる国のなかに、似たような国はないかと探したのですが……
アラブ首長国連邦 人口 約900万人
オマーン 人口 約250万人
カタール 人口 約200万人
サウジアラビア 人口 約3300万人
バーレーン 人口 約120万人
ヨルダン 人口 約970万人
人口が、ぴったり当てはまりそうな国は、とりあえずありません。
サウジアラビアでは大きすぎます。
いくらか数字が近いのは、アラブ首長国連邦と、ヨルダンです。
ヨルダンは、パレスチナやシリアからの難民流入のために、人口が増大しているのだそうで、もともとは700万人くらいだったのかもしれません。
ヨルダン国王であるアブドゥッラー2世についての、ウィキペディアの記事などを眺めていると、
・イギリスとアメリカに留学経験あり
・クウェート出身でパレスチナ人の女性と結婚
・変装して街にでて、庶民の声を聞くのが好き
(変装のツメが甘くて二度バレている)
・危険なアウトドアスポーツと映画が大好き
……なんとなく、物語に借用したくなるようなイメージではあります。
どんな国なのか、何も知らないので、とりあえず、Googleストリートビューで、うろうろしていたら、マックを発見しました。
ドライブスルーのようですが、ずいぶん立派なマックです。
ヨルダンはイスラム教の国ですから、豚肉は禁止でしょうしし、ほかにもいろいろな制約があるはず。
ぜひとも、メニューを見てみたいところですが……外からでは見えません。
どこかに書かれていないかなと思って探してみたら、トリップアドバイザーというサイトに、このお店の口コミページがありました。
書かれているのは、日本の食べログと同じような、賛否両論。
マックへの愛の賛歌を書き込む人もいれば、顧客対応や不健康さをクソミソにけなす人も。三分の一は酷評のようでした。(翻訳機能がついている口コミサイトでした)
何もわざわざ、ヨルダンまで行ってマックに入って怒らなくてもと思いますが、遠い旅先で、見慣れたマックの看板を見たら入りたくなる気持ちも、なんとなくわかるような気もします。
だいぶ横道にそれましたが、それたまま、この記事を終わります。
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