ヒロインのメリー・ジェーンは、片田舎でつつましく暮らす独身女性です。
両親に早く死なれ、引き取ってくれた伯父夫婦の介護をし、二人を看取ってからは、相続した小さなコテージでティールームを営みながら暮らしています。
穏やかに見えるメリー・ジェーンの人生ですが、運に恵まれているわではありません。
世話になった伯父夫婦には息子がいますが、介護はすべてメリー・ジェーンに押し付け、二人が亡くなったあとも、彼女をタダでこき使える使用人にしようと、虎視眈々と狙っています。
たった一人の姉はモデルをしていますが、妹の生活を顧みることがないばかりか、時々やってきて、美貌と成功を念入りにひけらかし、地味な容姿の妹に、たっぷりと劣等感を植え付けて去っていきます。そのためだけに、妹に会いに来ているようでもあります。
町の人々はメリー・ジェーンの誠実な人柄を愛していますが、個人的な困りごとを持ち込んで、彼女の暮らしを圧迫することが、しばしばあります。
こんな環境のなかで、自分の生活と人生を守るために、メリー・ジェーンは負けん気と毒舌を磨くしかなかったのかもしれません。
けれども、都会の外科医と出会によって、メリー・ジェーンの人生は一変。
妹を出し抜いて自分が外科医と結婚しようと、ストーカー行為を開始する美貌の姉。
メリー・ジェーンの人生をとことん搾取するために、いよいよ脅しにかかってくる従兄とその妻。
さらには、無銭飲食の暴漢が店内で暴れまわる事件まで発生。
そんな状況で、外科医が自分に寄せてくる、どこか中途半端な好意を信じることができないメリー・ジェーンは、持ち前の毒舌で、とっとと外科医を自分から遠ざけようとするのですが……
(その後のあらすじは省略)
メリー・ジェーンのティールームは、ストウオンザウォルドという町の近くにあるようです。
さて、この町は実在するのか・・・
さっそく探してみたら、実在していました。
ウィキペディアの記事によると、馬市で有名なのだそうです。
作中で、メリー・ジェーンが、閉店直前にやってきた外科医と、その連れの美女を追い返そうとして、
「こからならストウオンザウォルドは、そう遠くありません。あそこならホテルもありますし、お茶も飲めますよ」
と話すシーンがありますので、ティールームのあるあたりを、googleストリートビューで歩いてみました。
ストリートビューで、ティールームの中にも入れました。
ヒロインのお店も、こんな雰囲気だったのかもしれません。
温かみがあって、シンプルで。
間違っても、乱闘向きではないです。
0 件のコメント:
コメントを投稿