2019年10月16日水曜日

乱闘ありのティータイム


  葛城 しずく (漫画), ベティ・ニールズ  (原作)
「二人のティータイム 」Kindle版


ヒロインのメリー・ジェーンは、片田舎でつつましく暮らす独身女性です。

両親に早く死なれ、引き取ってくれた伯父夫婦の介護をし、二人を看取ってからは、相続した小さなコテージでティールームを営みながら暮らしています。

穏やかに見えるメリー・ジェーンの人生ですが、運に恵まれているわではありません。

世話になった伯父夫婦には息子がいますが、介護はすべてメリー・ジェーンに押し付け、二人が亡くなったあとも、彼女をタダでこき使える使用人にしようと、虎視眈々と狙っています。

たった一人の姉はモデルをしていますが、妹の生活を顧みることがないばかりか、時々やってきて、美貌と成功を念入りにひけらかし、地味な容姿の妹に、たっぷりと劣等感を植え付けて去っていきます。そのためだけに、妹に会いに来ているようでもあります。

町の人々はメリー・ジェーンの誠実な人柄を愛していますが、個人的な困りごとを持ち込んで、彼女の暮らしを圧迫することが、しばしばあります。

こんな環境のなかで、自分の生活と人生を守るために、メリー・ジェーンは負けん気と毒舌を磨くしかなかったのかもしれません。


けれども、都会の外科医と出会によって、メリー・ジェーンの人生は一変。

妹を出し抜いて自分が外科医と結婚しようと、ストーカー行為を開始する美貌の姉。

メリー・ジェーンの人生をとことん搾取するために、いよいよ脅しにかかってくる従兄とその妻。

さらには、無銭飲食の暴漢が店内で暴れまわる事件まで発生。


そんな状況で、外科医が自分に寄せてくる、どこか中途半端な好意を信じることができないメリー・ジェーンは、持ち前の毒舌で、とっとと外科医を自分から遠ざけようとするのですが……


(その後のあらすじは省略)


メリー・ジェーンのティールームは、ストウオンザウォルドという町の近くにあるようです。

さて、この町は実在するのか・・・

さっそく探してみたら、実在していました。
ウィキペディアの記事によると、馬市で有名なのだそうです。



作中で、メリー・ジェーンが、閉店直前にやってきた外科医と、その連れの美女を追い返そうとして、


「こからならストウオンザウォルドは、そう遠くありません。あそこならホテルもありますし、お茶も飲めますよ」

と話すシーンがありますので、ティールームのあるあたりを、googleストリートビューで歩いてみました。






ストリートビューで、ティールームの中にも入れました。






ヒロインのお店も、こんな雰囲気だったのかもしれません。
温かみがあって、シンプルで。

間違っても、乱闘向きではないです。






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