2016年7月1日金曜日

邪法・尸位素餐

尸位素餐

ちょっと機会があって、漢字検定一級の問題を、ちらちらと見ているのですが……


見たこともないような漢字や熟語が、どっさり出題されるんですね。(´・ω・`)



たとえばこれ。



尸位素餐 しいそさん

論衡」という書物に出てくる言葉だそうです。



こんな漢字、使ったことありません。

書いてる途中でやめたような、部首だけで終わっちゃったような、なんとも落ち着きのよくないカタチですが、訓読みにすると「しかばね」……死体です。

死体の他にも意味があって、神様の代役となることなのだそうですが、いずれにせよ、その人の自身の働きや能力は期待されない、ただそこにいるだけの存在、ということになりそうです。


素餐

こちらも、大して働きがない人物が、無駄飯を食ってることを言うそうです。

ようするに、尸位素餐という言葉は、与えられている地位に見合った働きをせずに報酬だけ得ている、無駄で無能ではた迷惑な人物のことを言う言葉ということになるようです。


それにしても、これ、現代文で使い道があるんでしょうか( ̄。 ̄;)。


「論衡」を読む機会もなさそうですし、漢字検定のために覚えたとしても、その知識をどうするのかなという、素朴な疑問がわいてきたので、ちょっと、ググッてみました。


すると、gooの中日辞典に、この熟語、掲載されているのです。


ということは、尸位素餐は、現代中国語では通用する言葉なのでしょうか。



漢字検定試験一級で、現代中国語として通用していても、日本語ではほとんど使われることのない熟語の知識を問う意味は何なのか……


わからないので、せっかく言葉があるのですから、無理矢理使って、現代日本語の用例を増やしてみることにしました。


何のためかと聞かれると困りますが……まあ、おもしろそうだから(^_^;。






その男は、引きこもり、ニートと言われる生活を続けていたが、齢すでに五十を超え、養ってくれる身内もいなくなり、いよいよ生活の手段が尽きてしまった。


男がそのような生活をしていたのには、理由があった。

若いころから持てる時間を全てつぎ込み、とある邪法の解読に専念していたのである。

そう、彼は、一流の邪法使いとして大成すべく、人生を賭け、家族を食い物にして、生きてきたのであった。


その邪法の一つが、いま、完成しようとしていた。


その名も尸位素餐の術。

部屋の壁が饐えるほど引きこもって暮らしていた六畳一間に、毒々しい文様の書き込まれた模造紙を敷き詰め、いよいよ彼は邪法の最後の仕上げに取りかかった。




尸となった我の前に、餐よ、いでよ!」



男が叫ぶと、応じるかのように、地の底から、獣じみた呻き声が響いてきた。


「あたためますか?」
「頼む」

短いやりとりのあと、ちーんという音がして、男の前に、湯気を立てたコンビニ弁当が一つ、出現した。


邪法は完成した。

これで男は生きている限り、食事に困ることはなくなった。


次は、水道、電気、ガスなどの調達を行う邪法を完成させる予定である。











(^_^;








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