うんざりしつつ、本を読んでいます。
鯨統一郎 「邪馬台国はどこですか?」 東京創元社
Amazonの内容説明より
「邪馬台国はどこですか?」――九州?畿内?そんなところにあるもんか!
ブッダの悟り、邪馬台国の比定地、聖徳太子の正体、光秀謀叛の動機、明治維新の黒幕、イエスの復活――歴史の常識にコペルニクス的転回を迫る、大胆不敵かつ奇想天外なデビュー作品集!
カウンター席だけのバーに客が三人。三谷敦彦教授と助手の早乙女静香、そして在野の研究家らしき宮田六郎。宮田の爆弾発言を契機に始まった歴史検証バトルは、回を追うごとに熱を帯びて……。
*第3位『'99本格ミステリ・ベスト10』
*第8位『このミステリーがすごい!'99年版』
Kindle unlimited 読み放題対象
謎解きは、面白かったです。
邪馬台国は岩手の八幡平という説は、お話のなかではとても本当らしく思えて、私ですら八幡平を手当たり次第掘りたくなったくらいです。
ブッダが本当は悟ってなんかいなくて、出家の理由も奥さんが浮気して他の男の子どもを産んだからだ、というのも、なんだかそれらしく思えてしまいました。
信長の本能寺の変が、実は明智光秀の力を借りた自殺だったというのも、無い話でもないように思えましたし。
ただ、出てくる人物に、あまり魅力がないのです。(´;ω;`)
特に、助手の早乙女静香という女性。
美貌の才媛という設定らしいのですが、在野の研究家らしき宮田の意見を、いちいち小馬鹿にしてかかり、侮蔑的な発言も多く、なんとも聞き苦しいのです。
それだけならまだしも、この女性、研究者だというわりには、オリジナルの説を何も持っていないのです。既存の説を真実と決めつけて、奇抜な意見を出してくる宮田をバカ呼ばわりするのですが、毎度宮田の説を論破しきれず、あえなく討ち死にしています。
「勉強はできるけれどオリジナリティのない秀才」というのは、学者として大成しないフラグとして有名ですが、早乙女静香嬢は、まさにそのタイプ。しかも性格がエグいときては、いいところはありません。
要するに、専門職の人々を差し置いて切れ味よく謎解きをする宮田の引き立て役を、高学歴の美女にした、ということなのでしょうが、ここまでうんざりされられるような人物でなくても、よかったような気がします。だって、途中で何度か読むのやめそうになりましたから。(´・ω・`)
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