椎名軽穂 「君に届け」(2) Amazon Kindle版
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二巻目は、一巻目以上に、イライラきゅんきゅんさせられました。
風早と親しくなり、矢野や吉田という、頼りがいのある同性の友人もできつつあって、幸せの絶頂のような気分でいた爽子ですが、ここで最初の試練に襲われます。
RGPなら、エリアの中ボス登場、というところでしょうか。
風早と仲良くする爽子を見て、嫉妬に駆られた女子たちが、陰湿な攻撃を仕掛けてきます。
高校生活って、サバイバルですね。(´・ω・`)
リアルにいろいろ思い出すと、漫画ほどではなくても、似たようなことはありました。
自分を安全地帯に置いたまま、ありもしない噂を流して、何の落ち度もない相手を貶める。
その噂で、相手が深く傷つくかもしれないということには一切目をつむって、考えもしない。
こういうふうに書くと、ほとんどサイコパスみたいですけど、ごく「普通」の生徒がやるんですよね、こういうことを。
普通って、何なんでしょうね。(´・ω・`)
「君に届け」で、嫉妬にかられた女子たちが爽子にした行為は、客観的に見て、犯罪の領域に入るものでした。(名誉毀損罪とか、侮辱罪とか、脅迫罪とか暴行罪とか)
漫画のなかの話とはいえ、ごく普通の女子高生に見える彼女たちの、他人の痛みに対する共感力の極端な低さに、空恐ろしいものを感じます。
他人の痛みへの共感ができない。
他人を都合良く操ることのできる。
罪悪感を持たない。
これらは、サイコパスと呼ばれる社会病質者の特徴だそうです。
強い嫉妬からくる憎悪が、普通の女子高生をも、サイコパスのようにしてしまうのでしょうか。
リアルでも、ない話ではない気がして、怖いです。
「君に届け」のお話のなかでは、爽子を支えようとする、吉田や矢野、風早の存在があって、嫉妬の女子達を撃退することができていました。
集団のなかでは、他人に対する否定的な感情と、支え合って肯定していく感情とがあって、それぞれ拮抗してバランスをとっていくものかもしれません。
恋愛もふくめて、人とつながっていく方法を学ぶことは、ほんとに大事だなと感じさせてくれる作品だなと思います。
(読書日記・マンガ)
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