2016年11月13日日曜日

【漫画読んだ日記】 コンプレックスが判断力をゆがめたせいで危うく離婚するとこだった話 

またハーレクインコミックです。


「あなたを愛せたら」 

藍 まりと (漫画), アン・メイザー (原作)     Amazonで見る







ヒロインのレイチェルは、骨董屋で働きながら、一人娘を育てています。



夫のベンはベストセラー作家ですが、別居していて、会うこともなくなっている状態。娘だけが月に一回、父親と面会しています。


別居の原因は、夫がベビーシッターの女性と全裸同衾しているのを目撃したこと。

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レイチェルが二人目の子を流産したあと、夫婦仲がぎくしゃくしていたところに、この同衾目撃事件がトドメを刺した形で、夫婦仲は破綻。


レイチェルは、スキャンダルが絶えず、自宅で浮気するようなセレブな夫とは早く離婚して、もっと堅実で平凡な、サイモンという穏やかな男性と結婚しようと決意します。


ところが、夫のベンは不倫の事実を絶対に認めず、離婚にも応じません。

さらに不思議なことに、幼い娘も、レイチェルの母親も、骨董屋の人々も、みんな夫の肩を持ちます。



はたして、ベンは本当に不倫をしたのでしょうか。





(以下はネタバレ情報に相当するので、ちょっと行間を開けてみたりします)






(´・ω・`)













結論からいうと、同衾騒動はベビーシッターの策略で、不倫でもなんでもありませんでした。


どこぞの富豪の屋敷のメイドだったのですが、そこのボンボンに手を出されて妊娠したため、都合のいい寄生先として、売れっ子作家のベンを選び、妻のレイチェルを追い出して自分が居座ろうとしたわけです。


同衾事件は、ベンにとっては、もらい事故みたいなもので、全くの濡れ衣だったのでした。


そういう経緯は、実のところ、レイチェルがちょっと本気を出して調べれば、簡単にわかる話だったのですが、レイチェルにとって、裸ベビーシッターの存在は、名前を聞いただけで嘔吐するほどのトラウマになってしまっていたのと、出世したベンの妻であるということ自体が、劣等感とストレスの元になってしまっていたため、現実を直視する勇気が持てなかったのでした。



レイチェルは、もともと自分に自信の持てないところのある女性だったのかもしれません。


作中では詳しく書かれていませんが、結婚したばかりのころは、ベンはまだ売れっ子ではなく、二人のための立派な新居も、かなり無理をして購入したような回想シーンがあったりします。

そんな駆け出しの作家としてのベンを励まし、支えている間は、レイチェルは、妻として自信をもって暮らしていくことができたのでしょう。


けれどもベンの才能が世の中に認められ、多くの女性たちの注意を引く存在になっていくにつれ、レイチェルは自分の立場に不安を覚え始めたのかもしれません。

さらに、二人目の子供を流産してしまったことから、レイチェルは、自分のなかの女性としての価値すら、見失ってしまいます。


そうした状況のなか、レイチェルは、仕事を通して自分の才能を発揮することで、自己評価を取り戻そうと考えます。骨董屋への就職は、そのためのものでした。


ところが、自分が仕事をするために雇ったベビーシッターが、夫と不倫し、子供までできたと知り(全部ウソでしたけども)、レイチェルは、それまで抱き続けていた、


    自分は、妻として、女性として、全く価値のない存在である。


という危惧を、確信に変えてしまったのでした。











これ、いわゆる「専業主婦コンプレックス」の一つですよね。(´・ω・`)


レイチェルのように、美しくて才能もあって、夫にも深く愛されているのに、それが全くわからなくなってしまうほどの、深い闇だったわけです。



コミックの作中では、ベンの側には落ち度がほとんどないように描かれていますが、実際のところはどうだったのか。


どうもこの二人、同衾事件が勃発する前から、話し合いや心の通じ合いに欠けるカップルだったような印象です。


ベンは、誠実で愛情深い夫ではあったかもしれませんが、家庭の中ではレイチェルの内助の功に頼りっきりで、心の中の孤独には気づかなかったのかもしれません。


その隙間に、邪悪なベビーシッターがうまく入り込んで、ひっかきまわしたというところでしょうか。





原作小説では、夫婦間の詳しい経緯がもう少し書かれているのかもしれないですが、まだkindle版になっていないようです。(´・ω・`)





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